発表者に、ひとりひとり記念品を手渡す当クラブ第三副会長、武田道夫
生活体験発表の生徒たちは、みんな真剣な表情
残暑の中、9月16日午後6時より、この春完成したばかりの真新しい松山商業高等学校会議室で、生徒、父母、学校関係者約120名が参加のもと、中予地区に定時制、通信制のある松山南、松山商、大洲(肱川分校)、松山工、松山東の各校の代表5名による生活体験発表会が行われた。
ー人目の発表者はTさん、60歳で美容師をされている方であった。仕事は充実していたが、60歳を迎え、最初で最後のチャンスだと思い、45年前の落とし物を捜すべく、定時制にチャレンジした。
学校に通うために仕事を休んでしまったことを悔やんだこともあったか、クラスの仲間の励ましにより学校の方に気持ちが切り替わってきた。
若い皆さんにはよい時期に学べることの幸せを感じ取って欲しいと言うことであった。
ニ人目の発表者はMさん。中学時代は、帰り道にだけ楽しみを感じ、警戒心が強く、受験にも失敗してしまい、定時制に通うことになった。
友達、先生に対する恐怖感があったが、平等に接してくれることに喜びを感じ、部活の卓球にも楽しさを感じられるようになり、どうでもよかった気持ちから、学校に行きたいという気持ちが芽生えたと言うことであった。
三人目はWさん。中学時代に友達とのトラブルがあり保健室登校であった。その時には、先生が真剣に話を聞いてくれて、特別学級でも勉強し、頼られる存在となり、自教室に戻れるまでになった。
しかし、定時制高校に入学すると、再び学校に行くことが嫌になったが、友達の励ましにより、片道26kmを遅刻欠席せずに登校できるようになったと言うことであった。
四人目はSさん。中学時代にどうしてか学校に行けなくなってしまった。しかし、父親から、休んだのはこれから頑張るための充電時間だったんだと言う励ましを受け、コンビニでアルバイトをし、自分で働いて得た給料で買い物をすることの気持ちよさを感じることができ、さらに、将来の夢、消防士へのあこがれを持つことができるようになったと言うことであった。
五人目はMAさん、48歳で中島町の方であった。3つの仕事をしてきたが、物足りなく感じ、満開の桜の樹の下で卒業証書をいただくことを目標に、2時間をかけて学校に通うようになり、無意欲、無感から自分自身が変わることができ、はじめることに遅くはないという励ましにより頑張れていると言うことであった。
審査委員長の藤原松山南高校校長からは、定時制高校の必要性が改めて感じられたこと、みんなに支えられていることを感じていることに感銘を受けたこと、また、県大会に向けて、具体的な表現をする方がよいと言葉をいただいた。
最後に武田第三副会長より、記念品の贈呈と県大会に出場する3名への激励の言葉を贈った。
この事業の後援は第12回大会から31年間にわたり継続している青少年育成に貢献している事業である。