松山中央ライオンズクラブ
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特別寄稿⑥自己表現

松山赤十字病院小児科カウンセラー
えひめ親子・人間関係研究所

臨床発達心理士

  平林 茂代

自己表現

 「目標をもって生きる」書店に並んでいる自己啓発の書籍にはよく主張されている言葉です。どのようになりたいのか、どこに向かって往きたいのかを時々確かめながらクライエントさんと向き合っていくことはカウンセリングでも大切にしていることです。混乱から抜け、進んで往く道筋が見えやすくなるからです。

 「目標はどんなに大きく持ってもよい、今実現は難しくとも星空の北斗七星にその希望を預けておくと見失いそうになったとき方角を示してくれる。まず見えるところの電信柱の目標から取り組んでいこう。」という言葉はあるセラピストの表現なのですが、未来を否定的に観るのではなく進む道を照らしてくれる光としておいておく姿勢は大切にしたいと思います。自分の目標を実現していこうとするとき、自分だけではできないことも多く、協力を求める必要もあり、人間関係が重要になります。アメリカの心理学者は人間関係の持ち方には三つのタイプがあると述べています。

第一のタイプは、気持ちや欲求を他の人に伝えず、大切な欲求を満たすための行動を起こさない人で他の人が言ったりしたりすることにどう反応すればよいのかに時間とエネルギーを費やし、自分の欲求よりも他者の欲求を優先してしまうひっこみ型です。自分の欲求を満たすことができず、いつも不満がたまってしまいがちです。

 第二のタイプは、自分の感情や意見や欲求をはっきり伝えるのですが、そのやり方が相手をやっつけたり無視したり、傷つけたりするので人間関係では良い関係が保ちにくく自分の欲求を満たすために他の人の協力を得ることが難しくなる攻撃型です。

 第三のタイプは、自分の感情や欲求、考えを表明し、自分の権利をはっきり主張しますが、相手の権利や欲求を侵害することはありません。思いやりがあり、気持ちと行動が一致していて直接的で正直な人です。自分の欲求を自発的に満たそうとします。そして必要なときには、相手の意見も聞き協力を求める率直型です。

第一・第二のタイプの人間関係ではリスクが多く、自分の本当の欲求が満たされず、いつも不満を持つことになってしまいます。他の人の協力を得ることも難しくなります。

第三のタイプは率直な自己表現をして理解を求め、相手への理解も大切にして信頼関係が築かれ、廻りの人の協力が得られ自己実現への道が開かれていくのです。全くリスクがないわけではありませんが、自分自身の欲求、意見、考えを深く見つめ、自分と親しくなれること、また他者からのフィードバックも得られ、新しい自分の発見にもつながります。自己表現は、「私は」を主語にして相手に自分ことを伝えます。       

平林 茂代

参考文献  自己実現のための人間関係講座:近藤知恵著(大和書房)



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