このコーナーは会社経営で苦労した事やうまくいった事を語ってもらうコーナーです。
今回のゲストは「山田 哲」さんです。
私は18年前病院で理学療法士として勤めていました。介護保険制度が創設されるという事で脱サラし会社を作ったのですが、その当時はそういった法人は〇〇園とか××荘という名前ばかりでしたので、ベストケアなどというカタカナの会社は胡散臭く思われ、どこに営業に行っても門前払いでした。冷たい世間の風が身に沁みました。
また、介護ブームで求人すれば応募であふれる状態でしたので、介護保険が始まる半年前から13人のヘルパーを採用し、事業開始に向けて毎月勉強会と食事会を行っていました。みんなから「頑張ります」「新しい会社だからやりがいあるね」と言ってもらって、良い社員が集まってよかったと思っていました。それが制度開始2か月前頃からヘルパーの争奪合戦が始まり、知り合いから誘われたなどと一人、二人と辞退者が出て、結局2人しか残りませんでした。人の言葉は信用できないのだと悔しく思いました。
資金は資本金と実家を担保にした国民生活金融公庫からの借り入れで3500万円調達していましたが、経営が素人の私には資金繰りの計画の当てが外れて、1年後には通帳に36万円しかなくなったときは夜も眠れない日が続きました。お金が無くて悩むことはこれほど辛いことなのだとわかりました。
何とか乗り切りながら、この7月2日で創業18年になりました。まだまだ辛いことはありましたが、しかし会社を去るときにはすべて良い思い出ばかりになっていることだと思います。