お正月、こども達に 『おとしだま』 をあげた方もいらっしゃることでしょう。
『おとしだま』 とは、 そもそも何だったのでしょう? 本来、 正月には
五穀豊穣を司る 『年(歳)神様 (としがみさま)』 をお迎えしてお祝いを
します。
その年神様へのお供え物で重要だったのが餅。 特に、 魂が宿ると考えられ
ていた 鏡 を模した、 平たくて円い"鏡餅"をお供えしたのです。
また、 小さな丸餅もお供えしその後皆に配りました。 年神さまから、魂の
宿った餅をいただき新たな生命力を得ることから、「年魂・年霊(=としだま)」
と呼んだのが、 おとしだま の語源だと言われています。
他にも、 年の初めの賜り物、 「年賜」 からきているという説などもある
ようですよ。おとしだまは、 室町時代には、 年始の贈り物として広まって
いきます。この頃は、太刀・すずり・酒など、 いろいろなものが贈られた
そうです。
江戸時代になると、 商人からは扇子、 医者からは薬など、 身分や家業と
関係の深いものが贈られ、 明治時代には手ぬぐいなど簡素で実用的なものへ
と変遷していきました。今では、 こども達にあげる贈り物やお金を言うこと
が多いですよね。
ところで、 おとしだまの袋を 「ポチ袋」 と言いますが、 これは ほんの
少し を意味する ぽち から来ているそうです。
さて、 アンケートによると、 小学生がもらったおとしだまの総額は、
平均24,527円だそうです。 多い? 少ない?いかがでしょう。
二宮 一朗