ライオンズの思い出

五島　一明

　指折り数えりゃ29年前「五島さん！Y.Eの役をやって下さいや！」18代会長宮崎陽允さんからの電話である。未だその時小生はYEが何やら、どんな仕事なのか全く解らぬまま「解りました！」と返事した。それと云うのも入会してから幾度となく、ライオンズクラブに入会したら、やがて色々な役が巡って来るが何を云われても「NO！」と云ってはいけない…と教育（洗脳）されて居たからである。
　我がクラブ内の仕事とばかり思って居たらどうもおかしい。高知へ行く様指示されたので行ってみると下司考麿（現：名誉顧問）と云うガバナーから外国人の若人の受け入れから各クラブへの配置……２Ｒへの送り出し等の説明があった。どうやら小生の役は1Ｒを代表する336Ａの地区委員らしい。その頃の１Ｒは現在と違って中南予殆んど全域が守備範囲で、とても責任は重い。しかも他のリジョンから選出されたYE委員は全員会長経験者ばっかりで、ペーペーは小生一人でありとても肩身の狭い思いをした。宮崎会長もそれは知らずに私を推薦してくれたのだろうと今も思って居る。
　我がクラブもブルーガー君と云うアメリカ青年を宮崎会長宅でお世話願い乍ら清水さんの御自宅で夕食会を開いてもらったり多くの方々にご協力頂いた。特に忘れられない出来事は、宇和島の田辺さん宅にお願いしたアメリカの女の子。田辺さんの奥様は日本料理の腕自慢で一週間の献立を作って、今や遅しと待って居て下さったのですが……ナント此の女の子、食べるのは「白いごはん」のみ、飲むのは「コカコーラ」だけと云う変った子、「五島さんどうしたら良いんでしょうか？」と困り顔の田辺さんから電話があったが……どうし様も無く一週間そのままで２Ｒにお渡しした。
　忘れられない若き日の想い出の１ページである。