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特別寄稿(10)

成育医療センターと育児支援

 私は松山赤十字病院に入って常勤、非常勤含めて24年目を迎えています。カウンセリングという仕事をしている人が少ない頃でした。勤務を始めて5年くらい経た頃に現在の小谷部長が赴任してこられてから、当病院の小児科にはカウンセリングがあるということが広く知られるようになりました。小谷部長はカウンセリングについてとても関心が高く、重要視していただいたのです。育児不安や心の問題を抱えて、カウンセリングを受けに来院される新しい患者さんは多い年で500件にものぼり、現在でも300件は下りません。

そんな中で、その子どものあらわす現象のみを治そうと無理な対応をして重症化しているケースもあり、「予防」の取り組みの大切さを痛感し、まず、「子ども心身医療懇話会」を開催して学校や地域の子どもに接する専門家との交流が始まりました。

 小谷部長は医療の専門家として、新しい取り組みを積極的に実行していかれるバイタリティのある人、と言うのが私の持っている印象です。事実でもあります。それは新しい医療の取り組みとして2004年7月に小児科と産科を統合して、「成育医療センター」を立ち上げられたのです。

 成育医療とは「胎児期から成人まで一貫して子どもとその家族を医療、保健、心理の面から支援を行う」ことです。高度の医療を提供することはもちろんですが、その上に、母親父親支援、育児支援、虐待予防、家庭機能形成支援、不登校支援、育児支援、軽度発達障害支援など、今までの医療の範囲を超えて成育の保障をするということです。言い換えれば妊娠中から何でも相談でき、対応してくれる場ができることにより、社会から護られている「安心」を提供することですという理念の下に展開しています。

 具体的には、1、カルテ統一化(胎児期にベビーカルテを作る)2、子ども家族支援チーム医療(医師、助産師、看護師、心理士、ボランティアなど)3、LDRなど家族関係を重視したお産システム 4、NICUの新設、5、24時間電話相談(ハローママカード、ハローベビーカード)6、小児救急への積極的取り組み、7、専門的で高いレベルの小児医療の提供、8、ボランティアによる支援システム9、地域に開かれたネットワークの充実(急患医療センター、保健所、児童相談所、周産期センター、学校、幼稚園、保育園、地域子育て支援センターなど)などの項目が挙げられます。

小谷部長は松山赤十字病院における成育医療センターは「病院完結型」ではなく「地域完結型」を目指した医療機関として、予防や治療に取り組んでいきたいと述べられています。さらに、成育医療センターの建設に向かって行動が始まっています。私も応援者であり、協力者です。地域の皆さんの応援が鍵でもあり、応援とご協力を是非お願いいたします。

         参考 小児心身症研究(日本小児心身医学会中国四国地方会誌)  15号論文 小谷信行

松山赤十字病院小児科カウンセラー
えひめ親子・人間関係研究所

臨床発達心理士

  平林 茂代



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