松山中央ライオンズクラブ
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特別寄稿(11)

愛媛いのちの電話~

 

1984年9月14日、私は中央ライオンズから寄贈いただいた電話の前で愛媛いのちの電話の開局の時間を相談員数人と待っていました。13時、リーンリーンと呼び鈴がなり、身体に緊張が走り、相談員がお互いに譲り合う瞬間もあったのですが、勇気を出して私は受話器をとりました。女性の苦しそうな、聞き取りにくい声が受話器の向こう聞えてきました。一瞬のうちに身体の緊張感は意識からなくなり、受話器の向こうの声に引き込まれていきました。電話の奥には、今まで自分が生きてきた人生にはない厳しい生き方があることを知らされ、電話を通してしか援助を求めることができない人がいることを思い知らされ、ボランティアとしての活動を継続してきました。

 「いのちの電話」は、孤独な中にあって、時には精神的危機に直面し、自殺を始め助けと励ましを求めている一人ひとりと隣人になりたいという願いから生まれた運動であり、電話という手段で対話することを主目的とします。この運動の源流はイギリスの「ザ・サマリタンズ」(1953~)で始まり、2004年には1000を超える世界中の都市に拡大されていきました。1971年に「東京いのちの電話」が発足し、現在では49センター7分室が全国で活動を続けています。 

 2004年4月に社会福祉法人として認可を受け「愛媛いのちの電話」が設立され、組織も充実し、基盤のある活動ができるようになりました。

電話相談受診時間は月初めの10日間はPM12時~翌日AM6時の18時間、他の日はAM10時~PM10時の12時間の活動となっています。2008年の総相談件数は7746件で月平均は645件でした。

相談に当たるのは相談員養成講座を1年半受講し、認定を受けたボランティア相談員が行います。現在100名程度で受信していますが、いのちの電話が目指すのは「24時間眠らぬダイヤル」であり、まだまだ相談員が足りないのが現状です。

近年、自殺者の数は交通事故の死亡者を大きく上回り、大きな社会問題になっています。

厚生労働省もさまざまな対策に乗り出し、2001年から自殺防止対策に関する協力事業として始まった「24時間フリーダイヤル」が年1回から「毎月1回10日」と設定され、全国の「いのちの電話」が一斉に受信しています。愛媛にも全国各地から電話が引っ切り無しにかかってきており、毎月平均24時間で5~60件にもなっています。

 私は今、理事と研修企画委員長として活動させていただいていますが、この活動は私の人生の研修の場と位置づけています。自分では生きられない人生との出会いは多くの経験と豊かな心をもらっています。これはこの活動に参加する者の共通の思いともいえます。

中央ライオンズ様には開局のときから大変お世話になっています。今後とも後援会を通して支えていただければ大変有り難く思います。     

松山赤十字病院小児科カウンセラー
えひめ親子・人間関係研究所

臨床発達心理士

  平林 茂代

 

 

 



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