えひめ親子・人間関係研究所での取り組み 小児科での心理臨床の仕事に携わりながら、子どもの心に触れ、そこから家族のありようの大切さやその家族に影響を与える社会の変化のうねりのなかで、「予防」に視点をあて、人間力、コミュニケーション力をつけることに関心を持ち、私のすることはその力をつけていく“場”作りと考えました。それが平成6年「えひめ親子・人間関係研究所」設立につながりました。そこでの活動を紹介させていただき私の最後の原稿とさせていただきたいと思います。 ○カウンセリング実践講座(平成9年開講・コミュニティカウンセラー養成) 「人は人と人との関係の中で育つ」は、カウンセラーとクライアントの関係が実証しています。それがグループになることでメンバー同士での育ちあいが起こってくるのです。 私自身、この講座のことを「心の料理教室」と思っています。まず、場と素材をファシリテーターが準備します。それぞれのグループメンバーがその素材をもとに関わりあっていきます。回を重ねるごとに、見事な心のお料理ができ、心の栄養をつけていくことができるのです。そのことは自己理解、自己肯定につながり、価値意識の変化や他者理解が深まります。1年次から4年次まで学ぶことができ、13年間で600名近くの方が参加され、現在たくさんの方がコミュニティカウンセラーとして医療・福祉・子育て支援・学校などさまざまな機関で援助の仕事やボランティアで活躍しています。 ○ ワークショップ、講演、子育て講座、職場の研修 PTAや保育園、幼稚園などの親の会などからの依頼に応じて開催います。 ○「親業」(親教育プログラム):子どもと親の間に心の架け橋を強化し、子どもの心を聴く、親の気持ちや価値観を話す、対立が起きたときの解決方法など具体的な日常生活から体験を通して学ぶ講座です。 ○「女性のための人間関係講座」:自分を大切にすることと他の人も大切にすることとのバランスをとりながら自己表現することを体験的に学び自己実現をめざす講座です。 ○「教師学講座」:教師と生徒との間に信頼関係を構築して質の高い教授と学習が成り立つためのコミュニケーションを主体にした体験学習型の講座です。 ○ メンタルヘルス講座 講演、ワークショップなどメンタルヘルスの研修依頼が増えています。認知やコミュニケーションパターンに気づき、自分の存在意味を見失わないで自分を活かしていけることがメンタルヘルスのテーマだと考えています。ニーズに合ったプログラムを充実させていくためにこれからも研究を深めたいと思っています。 取り留めのない文章でしたが、私自身、筆を進めながら、自分を振り返ることができよい時間をいただきました。1年間書かせていただいてありがとうございました。
松山赤十字病院小児科カウンセラー 臨床発達心理士 平林 茂代
えひめ親子・人間関係研究所