エッセイリレー
宇野 茂夫
「小学生のころ」
もう随分昔。私の小学生の頃。通っていたのは、当時の専売公社のすぐ北側にある雄郡小学校でした。当時は、まだ、今の国道56号線はなく、周りにところどころ田圃や畑の残るのどかな場所でした。
近くの田圃に稲穂が実るころ、運動会のシーズン。今は、どこも9月ですが、当時は、もっと遅い時期(10月)に開かれていたと思います。何度も何度も練習を重ねていざ本番。かけっこ、リレー、玉入れ等々。かけっこでは、スタート前からスタートするまでの、あの「どきどき感」を今でも忘れられません。今も、人前で話すときは、同じようにどきどきしますが、まさに、三つ子の魂百まで、ですね。一着でゴールしたときは、とても嬉しくて、有頂天。上級生から腕を取られて一着の人が並ぶ旗のもとへ連れていかれるときのあの誇らしさ。これでも私は、3年生から5年生まで一着だったんですよ(自慢)。びりから2番目のこともありましたけど(笑)。心臓が弱い割には負けず嫌いで、一着にならないと悔しくて悔しくて…それから、家族とともに食べた昼食のおにぎりが美味しかったこと。
もう一つの思い出。それは、同級生の中に、体に障害があり、その上極貧の生活をしている子(兄と妹)がいたことです。何度か、家に行ったのですが、今にも崩れそうでした。着ているものも大変粗末で、子供ながらに、どうして?と思っていました。運動会にも来てなかったように思います。親の頑張りで恵まれた生活をしていた私には、全く理解できませんでした。でも、もうちょっと温かい想いで接して差しあげられていたら、と悔やんでいます。あの兄妹は今…
あれから50年。私の3人の子供たちも、全員雄郡小学校に通いましたが、今は、子供たちの運動会も懐かしい思い出になってしまいました。今度は、まだ見ぬ孫の運動会です。今から楽しみです!