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特別寄稿④ 一人の心を理解し対応するために

松山赤十字病院小児科カウンセラー
えひめ親子・人間関係研究所

臨床発達心理士

  平林 茂代

松山赤十字病院成育医療センター小児科では、8月に小児心身医療懇話会10周年記念行事を行い、当日たくさんの方の参加を頂き開催することができました。不登校や心身症、摂食障害など心身医療を求めて来院する子どもたちの人数がうなぎのぼりに増え続け対応に追われていた頃、病院だけで抱え込むのではなく、外部機関とのつながりを持ち、子どもの心の叫びへの理解を深め、それぞれの現場で何ができるかを語り合う会として10年前に発足し隔月開催で継続しています。

心身医療において基本的な姿勢として“一人の子どもを理解し、その子どもに適した対応をする“ことを大切にしています。学校は集団生活の場であり多くの経験が得られる場でもありながら、子どもによってまた対応によっては”個“を見失いがちな場でもあります。自分らしさが感じられなくなったとき、「心を病む」結果につながりやすいように思います。子どもは集団の場でもほんの少し、“個”としての関わりが持たれることで自分が自分であることを肯定的に受け止め、感情を取り戻すことができて生き生きし、意欲的になるのです。共通理解をするためには各機関との連携は欠かせません。

昨今、軽度発達障害という文字を目にされることも多いと思いますが、学校生活はできているが、パニックを繰り返したり、落ち着きがなく集中できない子どもとして注意や叱責されることが多く、混乱がひどくなっている場合があります。個性に特徴のある子どもに対しては“ひとりを理解し、ひとりへの対応を大切にする”ことがより重要になります。      そのために、その子を取り巻く人々、毎日関わりを持つ先生とのコミュニケーションをとるために成育医療カンファレンス(学校連携)をおこない、保護者、学校(管理職、担任、保健などの先生)と医療が一人の子どものことで向き合う機会をとっています。

人とのコミュニケーションが取りにくかったり、回りの刺激をより分けなく、休むことなく受けてその処理に追われ、時には混乱していて満足感や充実感を味わう暇もない時間を過ごしているとしたら、「生きづらさ」があって、まわりの人の理解なくては過ごせません。それを「治す」という発想ではますますその人を追い詰め攻撃性を助長することになったり、無力感を持たせたり、悪循環が起こります。その子の困難さに理解を深めその子にふさわしい回りの対応を話し合うのが学校連携です。

今、大人の中にもその困難さの中で社会生活をしている人は多く、まわりの理解が得られないまま二次的な症状として鬱や心身症として苦しんでいる方も多いと考えられます。人間の脳は一定の認知だけではなく認識の違いがあり、個性があることを知り、常識にとらわれるのではない人間の見方も大事と子どもは発信しているように思います。

松山赤十字病院小児科カウンセラー
 えひめ親子・人間関係研究所

 臨床発達心理士

     平林 茂代



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