松山中央ライオンズクラブ
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特別寄稿③ 成育医療における傾聴ボランティア活動

松山赤十字病院小児科カウンセラー
えひめ親子・人間関係研究所

臨床発達心理士

  平林 茂代

昨今、 子どもの出生率の低下が進み日本の国の将来にも影響することが懸念され、 さまざまな取り組みが実践されています。 子育て支援事業もその一つで国や企業など幅広くさまざまな形で展開されています。
 私が勤務している松山赤十字病院でも小児科と産婦人科が統合して成育医療センターが、 平成16年7月1日に開設されました。 「胎児期から思春期まで一貫して子どもとその家族を医療、 保健、 心理の面から支援を行う。」 ことを目的にしており、 妊娠、 胎児から出生、 小児、 思春期を経て成人への発達というサイクルにかかわる医療を総合的かつ継続的に診ていくという新しい概念の医療としてスタートしました。
 成育医療において子育て支援は、 赤ちゃんがお母さんのお腹の中に生まれたときから始まると考え、 妊娠中から何でも相談でき、 対応してくれる場があり、 社会から護られている 「安心」 を提供することから始まります。
 成育医療の中に成育医療ボランティアセンターが開設されたのが翌年の4月でした。 そこには管理ボランティア2名とカウンセリング実践講座で4年間学んだボランティアの方26名が傾聴ボランティア、 保育ボランティア、 SSTボランティアとして活動を開始しました。 現在では83名の方がボランティアとして登録、 活動しています。
 傾聴ボランティアは、 何よりも赤ちゃん誕生の喜びを母親、 またご家族と共有することを大切にしています。 産後の退院時のひととき新米お母さんに耳を傾けます。 あふれるような喜びが伝わってきます。 退院後、 1~3か月の乳児健診での来院時にはボランティアさんが母親に心を傾け、 赤ちゃんの成長を喜ぶとともに、 心配なことなど傾聴し、 成育診療医に伝える役目もしています。 待合でのほんのひとときのかかわりなのですが、 思わず話が弾んでみたり、 ちょっとした不安を語られたり、 お母さんたちから頂くアンケートでも聴いてもらってよかったという思いをたくさんいただきます。 またボランティアさんも傾聴ボランティアを実践することがけっして相手のためではなく、 いろいろ話を聞かせてもらうことで自己価値観を感じさせてもらうことができ、 豊かな気持ちになると継続意欲につながっています。
 一方で、 妊娠初期からの不安を訴える方も少なくなく、 出産までをカウンセラーでもある管理ボランティアが継続的に心を傾け聴いていきます。 具体的な支援が必要であり、 母親や家族が希望される場合は成育診療医を通して保健所や子育て支援センターなどその他の機関との連携を行い、 継続的な支援ができる様につないでいきます。
 成育医療における院内外との連携やボランティア活動を通して人と人とがつながることはお互いの育ちあいにつながっていることを感じることができます。

松山赤十字病院小児科カウンセラー
えひめ親子・人間関係研究所

臨床発達心理士

  平林 茂代



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