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特別寄稿⑦認知行動療法1

松山赤十字病院小児科カウンセラー
えひめ親子・人間関係研究所

臨床発達心理士

  平林 茂代

認知行動療法1

 認知行動療法は、比較的新しい心理療法ですが、専門家や一般の方の間でも興味や関心が高まってきているといえます。わたし自身も心理療法家として患者さんの話を聴きながら、患者さん自身が自分の気持ちを整理しながら問題解決をしていかれるプロセス思考的なかかわりをしていく場合と認知行動療法のような解決思考的な関わりをしていく場合があります。

認知行動療法は子どもや若者の場合で見ていくと、その子どもや若者が、不適切な考え方をすることで不快な感情が引き起こされ、それが行動に影響を与えるとされていると考えます。 したがって、子ども・若者が自分自身の不適切な考え方を見つけ出し、それを改善して、新しい対処のしかたを試してみるように促し、その考え方を変えるのを援助するよう介入していきます。考え方を変えることができれば、感情や行動を改善することができ、抑うつ、不安、恐怖症、強迫性障害、PTSDなどの心理問題も解決しやすくなるのです。

 認知行動療法では、“感情と行動は、主に認知の結果生み出されるものである”とみなされています。そこで”認知と行動に介入することによって、認知、感情、行動に、変化をもたらすことができる“という理論が基本的な前提になっています。

認知(何を考えるか)、感情(どう感じるか)、行動(何をするか)の3つの関係を問題とします。「自分は話すことが苦手だ」と考えている人は、「友達と一緒にいるときうまく話せるか」を心配な感情を持ち、友達に話しかけないという行動をとってしまいます。この人は、認知によって感情、行動の循環を繰り返し、その「話すことが苦手」というパターンを強化していく結果になっていきます。この認知、感情、行動の3つの循環を「魔法の環」と呼びます。

そこでまず、認知プロセスに注目をします。幼児期からの経験によって中核的な思い込みが作りだされると考えられています。その後、重要な出来事によって誘発され、活性化され、導き出され、自動思考(パッと頭に浮かんでくる考え)が出現してくるのです。

「私は成功しなければならない」という中核的思い込みは、試験を受けなければならない重要な出来事に対して「一日中勉強しなければ、良い点を取ることができない」と先入見が導き出され、「努力が足りない」(行動に関するもの)、「自分はおろかな人間」(人物に関するもの)、「試験にパスすることができず、大学には行けない」(将来に関するもの)などの自動思考が出現して過度の勉強、不安、不眠など精神的、身体的な変化が起きてきます。 

 次回、認知行動療法についての具体的な方法について述べたいと思います。

    参考文献  子どもと若者のための認知行動療法ワークブック(金剛出版)

          認知療法・行動療法カウンセリング (聖和書店)

          認知行動療法入門(金剛出版) 

臨床発達心理士

  平林 茂代



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